#3 越野和馬的ごきげん

2020.05.01

こんなにも家にいる時間が多くなったのは、世界中の人にとっておそらく初体験なのではないでしょうか。思い思いに工夫して一日を過ごしている人が多いと思いますが、ネガティブになってしまう瞬間も多いでしょう。(私自身もそうです。)その中で、できるだけ「ごきげん」に一日を過ごすこと、その様子を発信していくことがナツドキとして今できることのひとつであると、先日ナツドキチームのリモート会議で話していました。 今回は、主催者・越野和馬の一日の過ごし方、そしてナツドキのTwitterの取り組みについて聞きます。

-最近どのように過ごしていますか?

越野:

最近のスケジュールは、朝は5時半〜6時に起きて、今日聴きたい曲、アルバムを決めます。
そのアルバムの時間でストレッチと倒立、あと筋トレをします。
で、それが終わったら、ヨーグルトとバナナと食パンとコーヒーを飲んで、犬の散歩に出かけます。で、30分〜1時間散歩をして、帰ってから読書をします。毎日一応、その日の本を決めて、3時間で読むっていう目標で読んでて…で午後からは作業をしながら、誰か一人と喋るっていう予定を作る。
で、17時からごはんの支度をして、料理をして18時に飯食って、その後ストレッチしながら本を読むか、何かを観るかして、22時に寝る。(笑)

-…はい。(すごいなぁ 笑)
ごきげんでいるための過ごし方としてはどうしてますか?

越野:

ごきげんでいるための過ごし方としてはね、自分の状態を知る。「今日コンディション良いんだな、悪いんだな」っていうのを朝知る。

-なるほど。それは動いたら分かるの?

越野:

そう、毎朝全く同じことをする。ストレッチと筋トレと倒立をするじゃん?その朝のルーティンで、自分の体の調子が分かる。それで「あぁ今日あんまり体調よくないのかもしれない」とか、「あ、今日むちゃくちゃ頑張れそう」みたいな。それで、その後やることをちょっと調整する。
なんか今日頑張れそうだって思ったら、難しい本を読むとか、頑張って動画撮るとか、やったことないことにチャレンジするとか。
あ、今日あんま調子よくないなって時は、小さいことでご褒美をあげちゃうとか。カレー食べに行っちゃうとかね。そういうこと。あとはちょっと楽しいことやる。プロジェクターを(部屋に)付けたんだけど、そういうテンション低くても元気になれることってあるじゃん、何かを作るとか簡単なこと、エンタメ的な。そういうのをやるかな。で、無理に仕事はしない!

-などうしてもやる気がでません!ってなったらどうするの?

越野:

散歩する。曲を聴きながら散歩する。曲を聴きながらベランダでずっと外見てる。自然に触れるかな。今ちょっとしづらい状況だけど。散歩くらいは良いじゃん、身近にある自然に触れる。

-遊び心をうまく感情のコントロールに使ってる気がするね。

越野:

気を使うところと…気を使うっていうのは、感じ取ろうとする場所と、ここでは一切いいやってところあるじゃん。そこを区別はしてるかも(笑)
あんまり、ネガティブな発信がね、最近多いじゃん。そういうのを、僕もそれは身にこたえるから、本当かどうか定かじゃない内容とか、誰かが叩かれてる内容とか、そういう内容を僕が受けてもただただヘコむだけ、テンション下がるし憤るだけ。憤っても僕はどうにもならないから、だからそういう情報はもう見ないようにしてるかも。マイナスなことに対してはね。
あとは自分がどういう状態かっていうのは理解する。

【#ナツドキでごきげんについて】

起床時間も決まっていなければ、ルーティーンと言えるルーティーンも作っておらず、入ってくる情報に感情を持っていかれがちな私は、正直うんうんと頷くことしかできず…なんとも頼りない聞き手と化してしまいました。自分の状態を理解すること、自分なりの方法で始めてみようと固く誓いました。
話題は最後に、Twitterでの取り組み「#ナツドキでごきげん」に移ります。
「#ナツドキでごきげん」とは、ごきげんになれる物や事柄、好きなこと、やりたいことをやってごきげんでいられている様子などをハッシュタグを付けて発信する試みです。

-「#ナツドキでごきげん」始めましたね。

越野:

自分の体感としてね、ネガティブな情報っていうのは広がっていくものだから、そういう情報を受けるよりも、ポジティブな情報を受けたり発信した方が、自分もポジティブになるなって思ってて。自分が笑ってた方が周りも笑ってくれるだろうなって思うので、ナツドキでそういう経済圏を作りたいなって思って取り組みをしてます。

-発信を始めて、なんか気持ちが明るくなった気がします(笑) ごきげん=好きなことをやっている様子っていうことだよね。

越野:

そうだね。例えば、どんだけテンション下がっててもさ、元気出すための行為あるじゃん、おかし食べるとか。それをむしゃくしゃして食べるか、「それでごきげんになってるんだな自分」って思ってそのことを発信するかだったら全然違うじゃん。
だからそのことを言ってって(発信していって)、みんなでごきげんになろうぜってかんじ。

-これがもっとたくさんの人に広がっていったら良いよね。

越野:

状況関わらずね、みんながごきげんでいられる場所を作り続けたいな、と思っていて、それは自分自身のためにも。
ナツドキとしてはごきげんでいられる瞬間っていうのは、好きなこととかやりたいことをやっている瞬間。だからそういう場所を提供したり、小さなことでも発信することで、誰かがそれを見て、自分もそういうことが必要なんだなって思って、好きなこと、楽しいことをやっていってくれればなと思っております!

些細なことでもみんなそれぞれ日常で「ごきげん」な瞬間があると思います。それをみんなで共有できたら、少しでも明るくなれるのではないかと思っています。#ナツドキでごきげん、ぜひ呟いてみてください。
ナツドキ2020中止の経緯〜ナツドキのコンセプトについて〜最近の過ごし方について、3回に渡って主催者・越野和馬に聞きました。私はナツドキを一緒に作っている立場でもあるので、既に知っている(理解している)と思っていた部分も多かったのですが、改めて聞き書き記すと、実はモヤモヤと引っかかっていた点がクリアになったり、新たな発見がとても多かったインタビューとなりました。
先日、ナツドキ2020中止を正式に発表し、出演者の皆さまからたくさんの温かい言葉をいただきました。申し訳ない気持ちでいっぱいでしたし、残念でなりませんでしたが、皆さまからの言葉に改めて、ナツドキがたくさんの人に支えられているのだと実感しました。ありがとうございます。
ナツドキ2020は中止ですが、このことをきっかけに始める試みも用意しています。このコラムももっと充実できるよう、発信し続けていきます。
次回をお楽しみに!

聞き手のProfile

原岡蓉子/2017年、バンドメンバーと共にナツドキを企画。以後、スタッフとしてナツドキに携わる。基本的に運営に関わることはなんでもやる。Agniのマネージャーでもあり、社会学者でもあります。